こんにちは
のり(7歳・女の子)たけ(5歳・男の子)の母、
noritakeです。

前回までのあらすじ。(前回の記事はコチラ)
男の子は4歳の時に突然、脳腫瘍という小児がんが発覚しました。
そして緊急手術も終わり、今回は初めての入院のお話です。

 

入院中のお願い

男の子の1回目の手術は無事成功し、術後の体調も順調です。
男の子はとても元気になりました。
だから毎日お家に帰りたくて仕方ありません。

 

だってこの病院、遊び相手になる子は1人もいないし、歩けるようになっても病室の外に出る事もできないし…

唯一の楽しみは、富山にいるお姉ちゃんとのLINE電話だけです。
でも電話を切ったあとは「早く帰りたい」と泣き寝入りの毎日。
そしてお姉ちゃんも「早く帰って来て」が口癖になり、時には2人が眠るまで電話を繋いだままの日もありました。

お母さんはお医者さんに、4つのお願いをしました。

そして、お医者さん達はみんなで相談したあと、「いいですよ」と言ってくれました。
このインクルーシブな対応のおかげで、男の子は退院に向けて頑張ることができました。

 

今までは、思いやり差別⁈

今回は「インクルーシブ」と言う言葉について。
直訳すると「包括的な、包み込むような」と言う意味で、私も息子が障害児になって初めて知った言葉です。

息子は障害児になった途端、今までのように過ごす事が当たり前ではなくなりました。
退院後、市役所へ復園手続きに行っても「何かあったら普通の園では…」と申し込み用紙を頂けませんでした。
小学校に関しても「通常の小学校への入学は困難」とされました。
息子の存在が否定されたようで、悲しみと不満そして不安の波に襲われました。
きっとこの待遇は、受け入れ側ではなく障害児を守る為だったのでしょう。
でも子供は子供の中で育つことで、無限の可能性や笑顔が引き出されることを身をもって感じています。

文科省はインクルーシブ教育として「障害のある子どもとない子どもが共に学ぶこと」「共存社会」の構築を目指しているそうです。

※文部科学省HP参照
https://www.mext.go.jp/inclusive-raintree/inclusive-education.htm

 

とても理想的かつ必要不可欠な目標ですが、現実では希望の進路を選べない障害児も少なくありません。

我が家の場合は悩んだ末、発病前に通っていた保育園に直接相談し、幸いにも復園させて頂くことが出来ました。
さらに退院から1年余りが経った頃、「前例がなく困難」と言われ続けた地元保育園と視覚支援学校幼稚部のダブル在籍が認可されました。行政へ繰り返しお願いし続けた成果でした。

 

 

これからは、受け入れる思いやりを…

大人なら、髪のない子を見て声をかける人は少ないでしょう?
でも、園の子達は違います。

術後の息子を見て「たけちゃん、おかえり〜、毛なくなったん?ツルツルやね〜」と触り放題。
本人も頭の大きな三日月型の手術痕を「頑張った印、強い証拠」と誇らしげです。
そして見えなくなった左目をカバーする様に、自然と息子の左側にはいつも誰かがいてくれます。

もちろん子供同士のケンカもあります。
家ではご飯をしばしば残す息子も、保育園での給食は毎日完食です。
受け入れて下さった園や先生方のおかげです。
そして日々、子供達の本能的な行動には癒されるばかりです。

「当たり前」って本当にありがたいと実感する毎日です。

しかし、以前大好きだった鬼ごっこやボール遊びは避けるようになりました。片目では見えない怖さがあるからです。
折り紙や迷路も苦手になりました。
以前は簡単に出来たことも、今は努力と集中力なくては出来ません。
これは視覚支援学校の指導を受けて、日々訓練中です。

 

もし、復園できてなかったら…
もし、支援学校が認可されなかったら…
息子の笑顔は、今より少なかったと思います。

ダブル在籍が認可され、本当に良かったと感謝しています。

 

障害児は特別扱いではなく、必要な配慮を望んでいます。

「必要な配慮=特別扱い」と思われるかもしれませんが、そうではないのです。
例えて言うなら、健常児は頑張ればできるけど、障害児は頑張ってもできない事があるという感じでしょうか。

健常児で好き嫌いのある子は、食べ方の工夫したりしますね。
運動が苦手な子は、繰り返し練習したりしますね。
みんなに励まされて、そしていつか自分自身で克服します。

でも障害児の中でも食べたくても食べられない子は、経管栄養や胃ろうを…
体を動かしたりできない子は、補助具や車椅子を…etc.
親子でハンデをフォローします。

でも悔しいかな、自分一人では障害を克服できない事もあるのです。
だからこそ「必要に応じた配慮=合理的配慮」が必要なのです。

 

でもね、本人も家族も悲観的ではないんですよ。
ちゃんと笑ってます。嬉しい事もいっぱいあります。いいこと探しや工夫がとっても上手です。
もちろん辛くないと言ったら嘘ですが、日々落ち込んだり考えたりするのはママならみんな同じ。子供もみんな毎日泣いたり笑ったりしながら大きくなります。

ハンデっ子ママ達の中には行政との話し合い含め、社会の理解を求める行動や発信を続けてらっしゃる方々がいらっしゃいます。
またハンデっ子も楽しめるイベントを企画してらっしゃる方もいらっしゃいます。

この機会を下さったママスキーさん、日々支援してくださる方々に感謝して…
これからも理解者が増え、「今」を活かすインクルーシブな助け合いの輪が繋りますように。

 

 

 

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