「そろそろ働こうかな?」
「働き方見直してみようかな?」
と思っているママ・パパが気になるアレコレを、社会保険労務士の渋谷恵美さんに、分かりやすくまとめてコラムにしていただいている【働くママ・パパのお役立ち情報】!
このコラムを読んで、多くのママ・パパ達の役に立てば嬉しいです!
それでは早速ご覧ください…♡
こんにちは。
社会保険労務士の渋谷恵美です。
“今いる会社を退職する”
いつかは必ずその時が来ます。
皆さんの中にも、今まさに退職を検討している方もいらっしゃるかもしれません。
会社を退職する際に、あらかじめ確認しておいた方が良いことがいくつか存在します。
その準備があるとないとでは、その後の手続き等に遅れが生じてしまったり、損をしてしまうことも…!!
そこで今回は、退職する前にぜひ確認や検討をしておいていただきたい4つの内容についてご紹介したいと思います!
その1
退職後の加入する医療保険について
検討しておく!
日本では、国民は何かしらの公的な保険に加入することを義務としています。
具体的には、退職後には以下のいずれかを選択し、手続きをする必要があります。
①加入していた健康保険に継続して加入する
②お住いの自治体等の国民健康保険に加入する
③ご家族の健康保険の扶養者となる
※すぐに就職し、就職先で社会保険に加入する場合を除きます
①の場合の保険料は退職前に支払っていた保険料の2倍程度となります。
②の場合の保険料は前年の所得によることと、自治体によって保険料率が変わりますので、お住いの自治体等にご相談されるのがベターです。
③の場合は、扶養者ですので保険料はかかりません。
ただし、年収要件など一定の要件に該当しなければ扶養者となることはできません。
加入する健康保険によって受けられる制度等も変わりますので、退職前にあらかじめ加入先を検討しておくことがおすすめですよ!
その2
退職日で手取り額が変わる
これは社会保険料を自身で払っているパパ・ママのケースです。
社会保険料は「日割り」はされず、原則月末に加入しているかどうかでその月の社会保険料の支払いの有無が決まります。
例えば、1月30日での退職の場合は1月分の社会保険料はかかりませんが、1月31日で退職の場合には1月分の社会保険料は丸っとかかってきます。
そのため退職日によって手取り額も変わってくるということなんです。
ちなみに、退職月に支払われる賞与についても同様です。
ただし、「1月30日で退職した場合、1月分の社会保険料はかからない」と言いましたが、例えばその後健康保険の加入継続や自治体の国民健康保険に加入した場合は、そちらで1月分の健康保険料を支払うこととなります。
また、国民年金保険料も別途かかりますので、お気を付けください。
その3
失業手当を受け取るためには
離職票が必要
離職票とは、賃金の支払い状況や離職理由などが書かれている、ハローワークが発行する書類のことを言います。
失業手当を受給する際には必ず提出しなければなりません。
失業手当を受け取る予定がある場合は、あらかじめ会社に離職票を発行してほしい旨を伝えておきましょう。
なお、離職票の発行手続きは、退職日より後でないと進めることができません。
そのため発行までには多少の日数がかかることを認識しながら、日数が経っても受け取れない場合は会社やハローワークに状況を確認してみましょう。
その4
退職後に必要となる
書類、返却物をチェックしておこう
その3で挙げた離職票をはじめ、退職後の手続きには様々な書類が必要となります。
例えば以下のようなものがあります。
- 社会保険を抜けた日付がわかる書類
(次の健康保険に加入する際に必要) - 源泉徴収票
(次の勤務先での年末調整や確定申告の際に必要)
特に源泉徴収票は必要となるのは年末のため、転職時に受け取っていなくても気に留めないケースが多いです。
そのため、年末に次の勤務先等から提出を求められた際に、「今更前職の会社に連絡を取るのは気まずいな…」といった思いをしてしまうこともありますので、必ずもらうようにしてくださいね。
また、会社毎に退職時に返却しなければならないものが決められていると思います。
よくある例としては、
- 健康保険証
- 名刺、社員証
- 制服
- 貸与されている機器 等です。
会社によっては、「返却できない場合は実費弁償してもらう」と定めている場合もありますので、早めに返却物を確認し返却準備を進めておくとよいでしょう。
気持ちよく退職するために
退職後の手続きがスムーズにいかなかったり、制度を知らなかったことで損をした、といったことがあると、せっかくの新しい門出も不安で包まれてしまいます。
逆に前もって準備しておくと、その後のスタートも気持ちよく切れることでしょう。
退職が決まったら、同僚への引継ぎも大事ですが、会社から自分への手続きの引継ぎも大切なことです!
今退職を検討しているパパやママがいらっしゃれば、まずは会社のルール(就業規則)の確認、自治体への相談、転職までのスケジュール作成など、在職中に前もってやるべきことを整理してみてください。
皆さんの晴れやかなスタートを応援しています!
■渋谷恵美氏 プロフィール
2児のママ。社会保険労務士。
働くことのプロとして、企業の労務管理のサポート、相談、指導、アドバイス等を行っています。その傍ら、働くママに向けて知って得する情報をInstagramにて配信中。