以前大変好評だった、パパの育休取得についてのコラムを書いていただいた、社会保険労務士の渋谷恵美さんに、「そろそろ働こうかな?」「働き方見直してみようかな?」と思っているママがきっと気になるアレコレを、コラムにしていただくことになりました★

コラムを読んで、多くのママ達の役に立てば嬉しいです!

それでは早速ご覧ください…♡

こんにちは。

社会保険労務士の渋谷恵美です。

 

以前、「男性版産休制度の新設」についての記事を書かせていただきました。

パパ限定で、子どもが生まれた後8週間以内に最大4週間までの休業が取得できる制度でしたよね。

ですが、実は育休の制度についての変更ってこれだけじゃないんです。

令和4年4月より、育休にまつわる様々な制度の改正が行われます。

 

でも、令和4月からスタートする育休制度」何がどう変わるんだろう?
 

そこで今回は、4月以降順次スタートする育休制度の改正点についてご紹介したいと思います!

今後、妊娠・出産を考えているパパママは必見ですよ!

令和4年4月よりスタートする改正内容

①有期雇用のパパママも育児休業が取りやすくなる!

今までは雇用期間が1年以上ないと有期雇用のパパママは育休が取得できませんでした。

4月からの改正ではこの要件が撤廃されるため、入社間もない有期雇用のパパママでも育休の取得が可能となります。

ただしここで注意したいのが、だからと言って必ず取得ができるわけではないということ。

会社と労働者の間で協定を結べば、雇用期間が1年未満のパパママは引き続き育休取得ができない、とすることもできるんです。(これは正社員も一緒です。)

会社ごとでどのように取り決めるかは自由ですので、自分の勤務先はどうなのか、必ず確認をしてみてくださいね。

②育休がより取得しやすい環境に

「うちの会社は育休が取りにくい雰囲気なんだよね・・・」

特にパパが育休取得となると、なかなかハードルが高い。

そんな状況を改善するため、4月からは育休取得がしやすい雇用環境を整備することが会社に義務付けされました。

具体的には育休や男性版産休制度(以下、育休等)に関する研修をしたり、相談窓口の設置、育休取得促進に関する会社の方針を従業員に周知することなどが求められています。

また、それに加え、実際に妊娠や出産の報告をしたパパやママに会社から育休等の制度について紹介したり取得の意向を確認しなければなりません。

会社の方から働きかけられれば、パパママも育休を取得したいとも言い出しやすくなりそうですよね!

※男性版産休制度は令和4年10月以降に取得可となります。

令和4年10月よりスタートする改正内容

③男性版産休制度(出生時育児休業)の創設

今回の改正の1番の目玉と言ってもいいのが男性版産休制度の創設です!

これはパパだけが取得できる新たな制度で、お子さんの出産から8週以内、つまりママの産休期間中にあわせて4週間まで取得できる育休制度になります。(養子の場合は性別関係なく取得可能です。)

通常の育休と1番の違いは「働きながら育休を取得できること」

育休期間中に勤務するはずであった日数と労働時間の半分が上限とはなっていますが、その範囲であれば育休期間中に出勤も可能となるわけです。育休期間中に出勤も可能

これであればパパも育休が取得しやすくなりますよね!

その他、初めに申し出れば男性版産休制度を2回まで分割して取得できたり、取得の申し出も休業の2週間前までに短縮されていたり(通常は1ヶ月前)、柔軟な対応となっています。

④通常の育休も分割OK!1歳後の育休は開始日が柔軟化へ

「パパばっかり柔軟に育休が取得できるなんて…」とママの不満の声が聞こえてきそうですが、ご安心を!

ママの取得する通常の育休だって、分割可能になったんです。

子どもが1歳になる前に1度会社に復帰していたとしても、申請すれば再度の育休取得が可能となります。

ちなみに、先ほどの男性版産休制度はママの産後8週までしか休業を取得できませんが、その後もパパが休業をしたい場合はこの通常の育休も取得可能なんです。

だからパパはなんと4回も育休が分割して取得できるんですよね。

これってすごい!

また、子どもが保育園に入所できない場合、例外的に子どもが1歳を超えても育休が取得できますが、その育休開始日はその子が1歳になる日からしか認められていませんでした。

つまり、パパとママ両方が育休を取得するとした場合、同時の取得しかできなかったんです。

ですが、今後はパパママ交代での育休取得も認められます。

例えばパパとママが協力すれば、下のような育休取得も可能となるんです!

無理なく楽しい育児を!

「パパは育休が取得できない」「ママが面倒みるのが当たり前」

そんな世の中が変わろうとしています。

会社から育休取得の働きかけを行うことで、特にパパの育休取得率は今後ますます上昇していくことが予想されますし、パパが育休を取得することも珍しくなくなってくるのではないかと感じます。

育児中、時には不安やストレスを感じてしまうこともありますよね。

ですがパパママが協力しやすい環境になれば、今までよりも上手にその壁を乗り越えていけるような気もしています。

ぜひ、パパ、ママ、会社、みんなで協力して楽しく育児を行っていってくださいね!

■渋谷恵美氏 プロフィール

 

2児のママ。社会保険労務士。
働くことのプロとして、企業の労務管理のサポート、相談、指導、アドバイス等を行っています。その傍ら、働くママに向けて知って得する情報をInstagramにて配信中。

Instagram @workingmom_my