「そろそろ働こうかな?」
「働き方見直してみようかな?」

と思っているママ・パパが気になるアレコレを、社会保険労務士の渋谷恵美さんに、分かりやすくまとめてコラムにしていただいている【働くママ・パパのお役立ち情報】!

このコラムを読んで、多くのママ・パパ達の役に立てば嬉しいです!

それでは早速ご覧ください…♡

こんにちは。
社会保険労務士の渋谷恵美です。

 


2022年の10月から、
社会保険に加入する人の数が増える!?

 

こんな噂を聞いたことがあるママも多いかと思います。

 

実は、この10月より「社会保険の適用拡大」というものが始まります。

ざっくりいうと、社会保険の加入要件が変更となり、今までは社会保険の加入対象外だった一部の方々も社会保険への加入が必要となってくるわけなんです。

もし該当すると、扶養の範囲内で働いている「年収130万円未満」のママも、扶養を抜けて自身で社会保険に加入することとなります。

 

 

「私は社会保険の適用拡大の対象になる?」
「社会保険に加入すると、給与はどうなる?」
「社会保険に加入するといいことってあるの?」

など、気になりますよね…?
そこで今回は、みなさんの気になる適用拡大のアレコレについてお答えしたいと思います!

社会保険の適用拡大。その要件は?

社会保険は原則、1週間の所定労働時間と1ヶ月の所定労働日数が、同じ事業所で同様の業務をしている正社員の3/4以上である場合に加入することとなります(※1)。

(例:正社員が週40時間、月20日の勤務なら、週30時間以上、月15日以上の勤務で加入対象となります)
 

※1 個人事業所の場合は従業員が5人未満の場合は任意加入、また飲食業や理美容業など一部の個人事業所は人数に関わらず任意加入となります。

 

以下の図がわかりやすいかと思います。

[厚生労働省「社会保険の加入についてのご案内」リーフレットより]

 

ですが、2022年10月~は従業員数(※2)が101人~500人の事業所で働いている場合で、以下の要件に該当すると自身で社会保険に加入することとなります。

※2 ここでいう従業員数とは、適用拡大以前から社会保険の加入対象となっている従業員の人数を指します。

[厚生労働省「社会保険適用ガイドブック」より]

 

月額賃金が8.8万円以上という要件より、「106万円の壁(8.8万円×12ヶ月)」という呼び方をされているわけなんです。

ですが、あくまでも見るのは年収が106万円を超えるかではなく、月額賃金が8.8万円を超えるか、ですよ!

ちなみにこの要件は、その会社単体で見ることとなります。例えば副業をしている場合、副業先の労働時間や月額賃金は加味されません。

社会保険に加入すると、給与はどうなる?

以下、適用拡大によって社会保険に加入する前と後の給与明細のシミュレーションです。

<前提>
時給1,000円、1日4時間、週5勤務、月22日勤務の場合
(富山県在住で協会けんぽに加入の場合)

このように社会保険料の分、手取りがグッと減ってしまうのが現状です。

この点だけ見れば確かにデメリット、マイナスではありますよね。だけれど、それだけで考えてはNG。

社会保険に加入すると受けられる恩恵についても、ちゃんと確認していきましょう。

社会保険に加入するメリットは?

①産休中にも手当が受けられる!

出産予定日6週前からママは出産のための休業に入ることができますが、ハローワークから支給される育休手当(育児休業給付金)は産後8週までは支給されません。

ですが社会保険に自身で加入すると、産前6週~産後8週の間の休業期間分にも健康保険より手当が支給されます!

 

 

②病気やケガで会社を休んだら手当が受けられる!

病気やケガで会社を休んでしまうと、その分給与が減額になる…困ってしまいますよね。

けれど、そのような期間についても健康保険から手当が出ます。

休業4日目から、通算して1年半の期間分で受給が可能です。

 

 

③老後の年金が増える!

社会保険料には厚生年金の保険料も含まれています。

保険料を支払った期間分、将来受け取れる年金額も増えていきますよ。

 

④病気やケガで働きにくくなったら、年金がもらえることがある!

病気やケガで働くことが制限された場合、65歳より前に年金(障害厚生年金)がもらえることがあります。

20歳以上60歳未満の方が必ず加入している国民年金制度にも同じような制度がありますが、受給要件が厳しい。

社会保険に加入している方が、受給の可能性が高まります!

 

 

社会保険は保険料が高いですが、長生きしたら年金としてその分も返ってきますし、「何かあった時の手厚い保険」と考えればメリットも大きいように感じます。

今後も進む、社会保険の適用拡大

今回紹介した社会保険の適用拡大ですが、これで終わりません。

2年後の2024年の10月には、さらに従業員数が51人以上の会社でも同じような要件となることが決まっています。

でもここで落胆せず、今一度自分の働き方を見直す1つのきっかけにしてみるのも良いかもしれませんね!

 

どうせ扶養を抜けるのであれば、この際働く時間をがっつり増やしてみるも良し。

扶養を抜けないように今の会社の働く時間を短くして、その分副業するも良し。

これを機に自分のやりたいことに挑戦するも良し。

 

ぜひ、みなさんの満足のいく働き方を見つけてみてくださいね!

■渋谷恵美氏 プロフィール

 

2児のママ。社会保険労務士。
働くことのプロとして、企業の労務管理のサポート、相談、指導、アドバイス等を行っています。その傍ら、働くママに向けて知って得する情報をInstagramにて配信中。

Instagram @workingmom_my

□HP:https://toyama.tw/

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