「そろそろ働こうかな?」
「働き方見直してみようかな?」

と思っているママ・パパが気になるアレコレを、社会保険労務士の渋谷恵美さんに、分かりやすくまとめてコラムにしていただいている【働くママ・パパのお役立ち情報】!

このコラムを読んで、多くのママ・パパ達の役に立てば嬉しいです!

それでは早速ご覧ください…♡

こんにちは。
社会保険労務士の渋谷恵美です。

 

“出産って命がけ。”

自分とは違う生命が胎内に宿る。

本当に素敵なことだけど、それによってママ達は今までに経験したことのないような体調不良に襲われます。

また、出産後の身体は交通事故後のダメージと同じ状態とも言われていますし、産後2週間までに初産婦の約25%がうつの可能性があると判定された、とのデータも報告されています。

 

妊娠・出産・産後期間に、もし、みなさんの体調不良が悪化してしまい、それにより仕事ができなくなってしまったら…?

精神的にも金銭的にも少し不安になってしまいますよね…。

 

でも大丈夫!そんなときに使える制度があるんです。

今回は、その中でも特に役立つ制度を厳選してお伝えしたいと思います!

つわりがひどくて欠勤!
そんな時は「傷病手当金」

妊娠発覚後にまず訪れる不調、「つわり」

中にはあまりの辛さから自宅療養や入院となるケースも!

そんなときにはぜひ健康保険制度の1つである「傷病手当金」の活用をしてくださいね!

つわりがひどくて働けなくなったとしても、会社を連続して3日休んだ後の4日目から、休んだ日分の手当金が支給されます。

支給額は、給与の日額相当額【休んだ日数分×3分の2】

会社を休んでも保障が受けられるのであれば、安心して体調回復にも挑めそうですよね。

もちろんつわりだけでなく、切迫流産や切迫早産などといった他の症状が原因で会社を休んだ場合でも傷病手当金の受給は可能ですよ!

産後うつ、重度の貧血…
長期の体調不良には「障害年金」

妊娠中や産後に崩した体調が長期にわたって回復しないケースがありますが、そんなときに役に立つ制度が「障害年金制度」

その不調の原因となっている病気やけがについて、初めて病院にかかった日から1年6ヶ月経ってもなお、生活や仕事が制限される状態にあると認められると、65歳前でも年金が支給される場合があります。

ただし、保険料の納付状況などの要件もありますのでご注意を。

 

支給額は保険料を納めた期間や加入している年金制度、傷病状態によっても変わりますが、最低保障額も設定されています。

年金制度への加入期間が短いママでも安心ですね!

流産・死産・中絶…
そんな時でも「出産手当金」は受給可能◎

子どもが生まれるって奇跡。



だからこそ、そうじゃない時もある。

 

2018年のデータでは50人に1人の赤ちゃんが「死産」であったという報告もあります。

もし、赤ちゃんが死産になってしまったら、1日でも早い回復に向けてママにはゆっくり休んでほしい…。

 

実は、例え赤ちゃんが死産であったとしても、ママは産休が取得できるんです!

死産だけでなく、妊娠85日(4ヶ月)以後の流産、中絶等も「出産」とされ、その日より前の42日~後の56日の間は産休として扱われます。

そしてその期間、ちゃんと産休手当(健康保険の出産手当金)も受給できるんです!

もちろん、産休期間ですので社会保険料の免除も受けられますよ。

苦しい時期だからこそ、制度を十分に活用してゆっくりゆっくり回復していきましょう!

体調不良が辛い…
そんな時こそ周りからのサポートを

例えば、ママの産後うつの原因の1つには「睡眠不足」が挙げられます。睡眠って私たち人間には本当に欠かせないものなんですよね。

 

だからこそ、産後の赤ちゃんがなかなか寝ない辛い時期も、周りを頼って自分自身の睡眠時間は確保しましょう!

2022年の10月からは産後パパ育休(出生時育児休業)が新設され、パパも育児休業が取得しやすくなっています。

また、各自治体では産後ママのサポート事業が展開されています。

例えば、富山県では産後6ヶ月のパパママを対象にした「産後ヘルパー派遣事業」というものがあり、1回(2時間以内)1,500円で家事や育児のサポートを受けることができます。

近くに両親がいなくて頼れない、という場合でも、自治体の制度を活用することでママも少しは気持ちが楽になりますよね!

ママは普段から一生懸命頑張っているんです。
少しくらいまわりに甘えましょう♡

「自分は大丈夫」とは思わないで!

どんなに健康なママでも、妊娠すると自分の身体とは思えないくらいに変化をします。

また、ホルモンバランスや育児環境、赤ちゃんの生活リズムなど、自分だけではどうすることもできないことにも、体調は左右されがち。

妊娠や産後の体調不良はどんなママにも起こりうることなんです!

 


だからこそ、準備は万全に…!

今回は制度についてお話ししましたが、例えば制度についてなんとなく知っておくだけでも、万が一の時にはきっと助けになるはずです!

これから妊娠予定のママも、すでに出産したママも、ぜひ今回の記事をお役立てくださいね。

■渋谷恵美氏 プロフィール

 

2児のママ。社会保険労務士。
働くことのプロとして、企業の労務管理のサポート、相談、指導、アドバイス等を行っています。その傍ら、働くママに向けて知って得する情報をInstagramにて配信中。

Instagram @workingmom_my

□HP:https://toyama.tw/

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