2023年5月に、石川県で発足した「ほいくREVO」プロジェクト。
ライフスタイルの変化によって保育の仕事を諦めなくてもよい社会の実現、そして保育士が憧れの職業であり続けるために、ママスキーとエンパワーサポートがタッグを組んでスタートさせました。
プロジェクト成功のため、潜在保育士さんだけではなく、現役で働く保育士さんのご意見も大切にしたいと思い、先日保育士資格をもつみなさんにアンケートを実施させていただきました。その結果のをこの記事ではご紹介していきたいと思います。
短い期間だったにも関わらず、保育資格をもつ154名の方から回答をいただきました。本当にありがとうございました!
石川県・富山県を中心に、
保育資格者(潜在含む)にアンケートを実施。
アンケート実施期間/
2023年5月9日~5月24日(回答154件)
実施方法/
ママスキーWEBサイト、
エンパワーサポート登録者さまへの回答依頼など
Q.現在、所有している資格を教えてください
回答いただいた154名全員が保育士資格を所有、内76%が幼稚園教諭の資格も所有されています。そして、5.8%の方がその他にも資格を所有されていることが分かりました。
Q.現在の就業状況を教えてください
154名に回答いただいた約半数が、現在保育士として働いておらず、別の仕事に就いているということが分かりました。今勤務している保育士さんも非正規で勤務している方が多いという結果に。
この回答は、ママスキーとエンパワーサポートが行った点から、結婚・出産後の保育資格者からの回答が多いと思いますので、やはりライフスタイルの変化によって保育士をやめてしまったという方が多いと予測されます。
Q.(保育士として在職中の方)
働く上での困りごと教えてください
(抜粋)
- 休暇の所得
- 給料がとても少ないこと
- 勤務時間中にはとうてい終わらない仕事量
- 正規と嘱託の仕事の量があまり変わらない
- 保育士が足りない
- 持ち帰りの仕事が多い。休憩時間がない
- 子どもの体調不良で出勤できないことが多い
- 自分の子どもや家族、家庭を優先したいと思うこと
- 園ごとの保育の仕方、方針に戸惑い慣れるまでが大変
- 人が少なく、余裕がない。質を高めたいが、こなすことに精一杯
- 育児や家庭の用事との両立
- 病気をもらいやすい
- 扶養外で働きたいが、損をしない金額まで働くことは難しいので困る
- 園として保育の方針が明確ではないと精神的に辛い
- 子ども優先で働けない。責任の重さを感じる
- 8時間勤務のパートだが、年齢制限のため正規になれない
- 保育観の違い
みなさん、本当にたくさんのご意見を寄せていただいたので、1つ1つじっくり読ませていただきました。現役で働いている保育士さんの困りごとを少しでも軽くしていかないと、復職者は増えないし、離職者も増えていく一方になる可能性が。。。
全体的なご意見としては、やはり
「保育士が不足している」=「仕事が多い」
という内容が多いように感じます。
Q.(現在、保育士として育休中の方)
復帰する上で不安なことを教えてください
(抜粋)
- 仕事と育児、家事の両立
- 体力的に頑張れるか
- 子どものことで早退やお休みがもらいにくい
- 子どもへの負担(情緒面・健康面)
- ブランクがあり仕事についていけるか不安
- 残業が多い
現在働いている方の困りごとと似た内容が並びます。しかし、現在育休中の方27名の内、14名は「なし」との回答でした。
今後プロジェクトでは、みなさんの困りごとや不安なことに対してどうやって乗り越えていったのか、そんな先輩保育士さんたちのアイデアを共有できる機会やコラムを掲載していきたいと思っています。
Q.(現在、保育士として働いていない方)
保育士として復帰する上で、ネックになったことを教えてください
(抜粋)
- 仕事量が多い
- 給料が安い
- 体力がもたない
- 仕事の休みにくさ
- 勤務時間に仕事が終わらない
- 子育てとの両立が困難
- 1人担任の責任の重さ、プレッシャー
- 持ち帰り仕事が多く、対価がない
- 条件の合う園が見つからない
- ブランクが長く復帰できるか不安
- 人間関係が怖い
こちらも、現役保育士さんの困りごととほとんど同じ内容が並んでいるように思います。適正な保育士の人員配置ができるようになれば、みなさんの困りごとも少しずつ解消していけるのではないかと思いました。
簡単な話でないとは思いますが、少しづつでもプロジェクトを通して変化させていきたいです。人員配置のための予算も国が動き始めているようなので、うまく活用できたらいいのですが…。
Q. (現在、保育士として働いていない方)
条件が揃えば、また保育士として働きたいと思いますか?
現在保育士として働いていない方のうち、約85%の方が「条件が合えば働きたい」と回答いただきました。これは本当に嬉しい数字で、やはり保育士という職業自体は素晴らしいものなんだと再認識できたように思います。先に紹介した困りごとや不安が少しでも解消できたら、保育士として復帰する方も増えそうです♡
Q.(全員に質問)
理想の勤務時間は1日何時間くらいですか?
7時間以上のフルタイムでの勤務を希望する方は少なく、一番多かった回答が「4~5時間程度」で約60%を占めています。ライフスタイルの変化に応じて、自分が働きやすい時間を選びやすい職業になると、より離職者が少なくなるように感じます。
ただし、園側がより多くの保育者を採用しなくてはいけないという課題もあるので、多くの保育士を採用した園側にも何か補助があるといいのですが。
Q.(全員)
1日単位で保育士として働ける仕組みがあったら働いてみたいと思いますか?
154人の内、約68%の方に「1日単位で働ける仕組みがあったら働いてみたい」と回答していただきました。
このプロジェクトのキーとなる「ちょこっとほいく!」というアプリは、1日単位で保育園と保育者を結ぶシステムです。たくさんの方がこの仕組みで働いてみたいと回答いただいたことは嬉しい発見でした♪
Q.(現在、保育士として在職中の方)
自身・もしくは同僚の急なお休み時に、
1日単位で働ける保育士がいたらお手伝いを
お願いしたいと思いますか?
現役の保育士さんたちの負担をもっと減らし、休憩やゆとりをもてるようにという想いから生まれた「ちょこっとほいく!」なので、約80%の方に「お願いしてみたい」と回答をいただけたことは、プロジェクトにとってとても重要なことです。
もちろん、園側・働く側からは「即戦力になれるか不安」「園のやり方にすぐに対応できるのか」「職員間の連携はどうやっていくのか」「子どもとの信頼関係が築けるのか」「月にどのくらい働けるか不安定」など、様々なご意見もいただいているので、そのご意見も少しずつ解消できるような仕組みをプロジェクトでは確立していけるようにまずは、賛同いただいている園や保育者と、連携を取って進めていきたいと思っています。
Q.(全員)
保育士が「憧れの職業」であり続けるためには何が必要だと思いますか?ご意見やアイデアを教えてください
(抜粋)
- 子どもに関わる以外の仕事(書類作成)が、多くないこと
- 仕事量の緩和と人員の増加
- 賃金アップ
- 保育士のフォロー体制の充実(相談できる場、研修など)
- 保育士の数を増やす。保育の仕事に余裕をもたせること
- 保育士1人あたりの子どもの人数の見直し
- 笑顔を維持できるよう、休みをとりやすい環境
- 笑顔で楽しく仕事ができること
- 保育士がいきいきして働いている姿をみんなに知ってもらう
- 情報発信をたくさん行うともっと開けた職業になると思う
- メディアが保育士は大変!と煽っている部分が大きい。実際、大変なのだが、、大変な部分しかクローズアップされず、そんな仕事には就きたくないと思われてしまうのではないかと思う
- 休息をしっかり取れるようにしないと身も心も持たないので、休憩時間の確保、自由に有給を使えるシステムが必要
- 世間の中での信頼回復
- 高収入、風通しの良い職場環境、モンペの対応をひとりにやらせない
- 業務改善が1番大事だと思います。書類など同じような内容を何枚も書かなきゃいけなかったり…。公的なサービスだから書類が大事なのも分かりますが、もう少し簡潔にしてもいいのでは?と思います
- 言いたいことを言い合える職場環境
- 専門職ならではのやりがいを発信する
こちらも、本当にたくさんのご意見を頂戴し、みなさんの保育に対する熱い想いが伝わるものばかりでした。
みなさんのご意見、アイデアを活かしながら1歩1歩ではありますがプロジェクトでは様々な取り組みを行っていきます。
私たちの力だけでは難しいかもしれませんが、みなさんと力を合わせたらきっと保育現場は変わると信じています。
保育園・保育士だけの力ではなく、地域のみなさんとも手を取り合って取り組んでいきたいと思っております。
今後も「ほいくREVOプロジェクト」にご期待ください♡
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