「そろそろ働こうかな?」
「働き方見直してみようかな?」

と思っているママ・パパが気になるアレコレを、社会保険労務士の渋谷恵美さんに、分かりやすくまとめてコラムにしていただいている【働くママ・パパのお役立ち情報】!

このコラムを読んで、多くのママ・パパ達の役に立てば嬉しいです!

それでは早速ご覧ください…♡

 

こんにちは。
社会保険労務士の渋谷恵美です。

 

仕事と家庭の両立のために「会社を退職する」という選択を考えることってありますよね。

会社を退職した際に活用できる制度としてメジャーなのが「失業手当」。雇用保険に加入していた方が求職活動中をしている期間に受け取れるお金です。

 

この失業手当、パパやママにとってお得な活用ポイントがたくさんあるってご存知でしたか?



制度を活用する際には
ぜひ知っておいてほしい!

そこで今回は、この活用ポイントについてご紹介していきたいと思います。

 


そもそも失業手当って
どんな制度なの?

正式には「基本手当」といいます。
雇用保険に加入していた方が会社を退職して求職活動をする際、その間の生活保障を目的として支給される手当です。
支給は一括で行われるわけではありません。

4週間に1度ずつハローワークに赴いて、失業状態であることや求職活動をしていることの確認を受け、その後にその期間分の手当が振り込まれる仕組みになっています。
支給を受けられる日数は、自己都合での退職の場合、雇用保険の加入期間によって変わります。

また、自己都合での退職の場合は2ヶ月の「給付制限期間」というものが設けられます。

失業手当の受給手続から約2ヶ月間は、失業状態であったとしても失業手当を受け取ることが原則できません。

この失業手当を受給できる期間は、退職日の翌日から1年間とされています。



活用ポイント①
失業期間を活用して
「離職者訓練」を受けよう!

ハローワークでは求職活動中の方を対象に、「公共職業訓練(離職者訓練)」が実施されています。

WEBクリエイターや介護職員養成、調理、パソコン・経理など、就職に必要な職業スキルや知識を習得するための訓練で、受講料は無料です。
(ただしテキスト代などは自己負担)
期間は2ヶ月~。

そして、この間、なんと失業手当の支給日数も訓練終了日まで延長されます。
また、「受講手当」や「通所手当(交通費)」といった手当も併せて受け取れます。
退職を機に何かを学びたいといった場合、受講終了日まで生活保障を受けながら、しかも無料で受講できるこの離職者訓練は、活用するほかないですよね!



活用ポイント②
育児のためにすぐに働けない!
そんな時は「受給期間の延長申請」を

失業手当を受給できる期間は、退職日の翌日から1年間とされており、受給のためには求職活動をしなければなりません。
しかし、妊娠や育児等の理由で退職した場合、すぐに求職活動を始められないケースも多いかと思います。

そんなときは、受給期間の延長申請を。
1年の受給期間を最長4年以内まで延長することができますよ。

それであれば、例えばお子さんが保育園に入園できてからゆっくりと求職活動を行う、そしてその間しっかりと失業手当も受け取る、ということも可能になりますね!



活用ポイント③
出産、育児、配偶者の転勤で退職
そんな時は
「特定理由離職者」の申し出を

自己都合での退職の場合は2ヶ月の「給付制限期間」というものが設けられる、という話をしましたが、退職理由が出産、育児、配偶者の転勤等の理由があっての自己都合退職の場合は、「特定理由離職者」の申し出をしてみてください。
もし、特定理由離職者であると認められれば、給付制限期間は設けられません。

申し出の際には、ポイント②でお話しした延長申請の際に交付される「受給期間延長通知書」や「転勤辞令」などが必要となります。

詳細は管轄のハローワークに聞いてみてくださいね。



活用ポイント④
求職活動や教育訓練受講のために
保育等サービスを利用したら、
費用が出ます!

退職時に小さなお子さんがいる場合、採用面接等をしたり、教育訓練を受講したりするために保育所等を利用することも考えなければなりません。

そんなときに活用したいのが
「求職活動関係役務利用費」

保育サービス利用のために負担した費用の一部が支給されますよ。
金額や日数の上限がありますが、これもぜひ使いたい制度ですよね!

ちなみに、退職前にすでに保育サービスを利用開始している場合でも、制度を活用することができますよ。



退職は誰にでもある、
だからこそ知っておきたい!

失業手当については何となく知っていた、というパパやママは多いと思いますが、失業手当に関する他の知られていない制度もこんなにいろいろあるんですよ!

お子さんが小さいときは、自分の意志とは別に退職について考えざるを得ない時も出てきます。
ですが、だからこそ少しでも制度を最大限に活用して、無理のない、そして自分も納得のいく次の職業選択をしていただきたいと感じています。

それに、今まで雇用保険料を払ってきたからこそ、十分にその恩恵を受けたいですよね!
もし、退職されて失業手当を受ける際には、管轄のハローワークの方の話をしっかりと聞きながら、自分に合った制度を活用していってくださいね!


■渋谷恵美氏 プロフィール

2児のママ。社会保険労務士。
働くことのプロとして、企業の労務管理のサポート、相談、指導、アドバイス等を行っています。その傍ら、働くママに向けて知って得する情報をInstagramにて配信中。

 

Instagram @workingmom_my

□HP:https://toyama.tw/

 

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