「そろそろ働こうかな?」
「働き方見直してみようかな?」

と思っているママ・パパが気になるアレコレを、社会保険労務士の渋谷恵美さんに、分かりやすくまとめてコラムにしていただいている【働くママ・パパのお役立ち情報】!

このコラムを読んで、多くのママ・パパ達の役に立てば嬉しいです!

それでは早速ご覧ください…♡

こんにちは。
社会保険労務士の渋谷恵美です。

最近ニュースでもとにかく話題になっているのが「年収130万円を超えた場合でも社会保険の扶養を抜けなくてもOK」という話。

えっ、じゃあ年収が130万円を超える
働き方に変えても良いってこと?

今後は扶養の壁が
緩和される流れなの?

この辺りの話、気になりますよね…。

そこで今回は、現在岸田内閣から「今後の方針」として示されている扶養に関するあれこれについていくつかご紹介したいと思います。

 

まだ決定しているわけではありませんが、今後の働き方を考える上での参考にしていただけると幸いです。

 

 

まずは、再確認!
「扶養って何?」

これまでにも何度か“扶養”についてはご紹介していますが、再度確認をしていきましょう。

“扶養”には大きく分けて2つのタイプがあります。

1つは、自分自身に税金がかからなかったり、配偶者が税金面で優遇を受けられる「税法上の扶養」

もう1つは、社会保険料を支払わなくても社会保険上の一定のサービスを受けられるようになる「社会保険上の扶養」です。

これら2つの扶養にはそれぞれ収入要件があり、この収入要件のことを世間ではわかりやすく「○○円の壁」とも言っています。

 

 

 

今後の年収の壁への支援策とは?

2023年9月27日に「年収の壁・支援強化パッケージ」が決定、公表されていますが、その中では主に以下の年収の壁についての対策が示されています。

方向性①
130万円の壁は2年間は
緩和の方向へ

年収130万円を超えると
社会保険の扶養には入れない…!

そのため、特に扶養の範囲で働くパートやアルバイトの方々が年末に就業調整をするケースが多く、人手不足の要因ともなっていました。

その現象を受け、この10月より「繁忙期に労働時間が延長してしまったなどして収入が一時的に上がったとしても、事業主が証明すれば扶養として認定することを可能にする仕組みを作っていく」ということが公表されました。

 

ここで注意したいのが以下2点。

まずは、<扶養認定を可能にするのは収入が一時的に超えた場合>という点です。

最近「じゃあ今までは週3日で働いているのを週4にしてもらって年収130万を超えるようにしても大丈夫?」といった質問を受けますが、これは臨時的ではなく恒常的と判断される可能性もあります。

つまり、労働条件を根っこから変更してしまうと、それ以降の見込みの年収額によっては扶養認定を受けられない可能性もあるということになりますのでご注意ください。

 

もう1点は、<扶養の認定は配偶者の加入する健康保険組合等がそれぞれで判断している>という点です。組合ごとの判断となれば、組合ごとにその基準が多少異なってくることも考えられます。

まずは、配偶者の会社や加入する健康保険組合からのお知らせ等を確認していきたいですね!

なお、この臨時的収入増による扶養認定は「連続2回まで」可能となっております。

つまり、“3年連続で収入を超えた場合は認められない”ということになります。

方向性②
106万の壁は超えても
手取りが減らないような
取り組み促進へ

2022年10月より、社会保険の加入者が101人以上の会社では、月収が88,000円以上、週20時間以上の勤務などの要件に該当すると、パートやアルバイトであっても社会保険に加入することとなりました。

月収88,000円×12ヶ月≒106万円程度となるため、世間ではこれを「106万円の壁」と呼んでいます。

ですが、社会保険料はざっくり総支給額の13~15%程度かかってしまうため、社会保険に加入すると総支給額が変わらずとも手取りは減ってしまう「手取りの逆転現象」起こってしまいます。

そのため、106万円の壁を超えないよう労働時間を抑えるケースも多く存在しています。

 

そこで今回、手取りの逆転現象が起こらないよう取り組みを講じた企業に対して、国が助成を行うことが発表されました。取り組み対象とした労働者1人当たり、最大50万円が会社に支給されます。

手取りの逆転現象が起こらない取り組みとは、例えば社会保険適用促進手当を支給する、時給額を上げる、所定労働時間を延長する、などです。

また、社会保険適用手当に関しては、社会保険料の計算には加味しないことしているため、手当の分総支給額が上がっても社会保険料は変動しないこととなります。

方向性③
配偶者手当の見直しの必要性を
企業に周知へ

103万円の壁、あるいは130万円の壁の範囲内で働く配偶者がいる場合、会社が「配偶者手当」を支給している場合があります。

しかし、この手当の存在によって、配偶者の就業が抑制されている現状も。

そこで今後は、企業に配偶者手当の見直しを進めるべく周知を行っていくということです。もちろん、これは強制ではありませんが、それを機に見直しをする企業も増えることが予想されます。

 

 

 

扶養は廃止される!?

岸田総理は会見等の中で「扶養については根本的に制度を変えないといけない」と述べています。

今後どのような見直しが図られるかはまだ不明ですが、扶養対象者の縮小や廃止も含め、何か私たちの働き方にも影響を与える改革がなされることも予想されます。

個人的には、臨時的な就業延長を経験しながら、その後の就業時間の見直しも含めて働き方を検討していくのも1つのように感じます。

あまり今の生活や収入が大きく変わらないよう、上手に準備していくことが賢いやり方かもしれませんね!

 

今後も、新しい情報が入り次第、お伝えしていきます。


■渋谷恵美氏 プロフィール

2児のママ。社会保険労務士。
働くことのプロとして、企業の労務管理のサポート、相談、指導、アドバイス等を行っています。その傍ら、働くママに向けて知って得する情報をInstagramにて配信中。

 

Instagram @workingmom_my

□HP:https://toyama.tw/

 

フォローする