こんにちは★
ほいくREVOプロジェクトリーダーのママスキー・マイです!

家庭の事情で大好きな保育士の仕事を諦めなくてもよい社会を実現するために、立ち上げたこのプロジェクト。
このページでは「令和版:保育士トレンドNOTE」と題して、様々な視点でコラムを掲載していきます。


今回は、
結婚や出産を経て保育士として復帰する時、どのような雇用形態がいいのかお悩みの方に向けて、「保育士ママの働き方の選択肢」をテーマに記事をまとめました。


お話を伺ったのは、昨年度までつばきこども園の園長として活躍されていた原崎先生。先生も、保育士の働き方を改革したい!と強い想いをお持ちで、ほいくREVOプロジェクトメンバーとして普段から多くのアドバイスをいただいております。

【お話を伺った方】

つばきこども園/
元園長 原崎ひとみ先生


昭和54年~現在まで、44年間「つばきこども園」に勤務。内14年間は園長職を担い、昨年度定年退職。その長年の活動が称され、令和3年春には「瑞宝単光章」を受賞。
2023年度からは同保育園にて現場復帰し、働く保育者たちの状況を実際に目の当たりにしたことで、保育士の働き方について変えていきたいという想いが強まる。
趣味は和太鼓・お酒・旅行。

<ママスキー・マイ>

結婚や出産を経て保育士として復帰する場合、どのような雇用形態で復帰しようか悩むママも多いと感じています。「正規職員」「非正規職員(パート・アルバイト)」「派遣職員」「フリーランス」など、近年では働き方の選択肢が増えてきていますが、それぞれの働き方の違いについて、原崎先生のご経験から教えていただけますか?

<原崎先生>

分かりました★それぞれの雇用形態について比較して一緒に見ていきましょう。

ある保育園の雇用形態

【正規職員】
 

  • 勤務時間/7時間45分
    (+60分休憩)※月160時間程度
  • 当番シフト/あり
    (7:00~19:00の間でシフト制)
  • 土曜出勤/月2回程度
  • 賞与/あり
  • 書類業務/年間&月間計画・個別記録・日誌・子どもの様子・要録・発達記録・行事計画・避難訓練&交通安全記録など
  • キャリアアップ研修/あり
  • 会議・研修/あり
  • 保護者対応/あり
  • 保育士会/正会員

    <メリット>
    ★安定した収入や雇用を得られる
    ★仕事へのやりがいを感じることができる
    ★キャリアアップできる

まずは正規職員です。
仕事が多岐に渡り、勤務時間も長いですが、雇用保険や社会保険の加入も義務づけられ、安定して収入を得られます。またキャリアアップ研修などを通して自身のキャリアを磨きながらステップアップすることもできます。
ライフスタイルが変わっても正規職員として働き続けやすい環境を整えていくことが今後の大きな課題ですね。

【非正規職員(パート・アルバイト)】

 

  • 勤務時間/2時間~7時間半
    ※希望に応じて
  • 当番シフト/なし
  • 土曜出勤/基本的にはなし
    ※希望に応じて
  • 賞与/基本的にはなし
  • 書類業務/個別記録・日誌・子どもの様子など
  • キャリアアップ研修/個人に応じる
  • 会議・研修/あり
  • 保護者対応/あり
  • 保育士会/準会員を推奨する

    <メリット>
    ★希望の日数・時間帯で働ける
    ★希望があれば正規職員になれる

アルバイト・パート勤務のメリットは、自分の好きな時間帯や日数を調整して働くことができる点で、扶養の範囲内で働いている方も多いです。
元々正規職員で働いていた方にすると、仕事内容に少し物足りなさを感じるかもしれませんが、お子さんが小さなうちは働きやすい雇用形態です。お子さんが大きくなったタイミングで、正規職員に戻る方もいらっしゃいます。

【派遣職員】

 

  • 勤務時間/個々に応じる
  • 当番シフト/なし
  • 土曜出勤/基本的にはなし
    ※希望に応じて
  • 賞与/派遣会社による
  • 書類業務/個別記録・日誌・子どもの様子
  • キャリアアップ研修/なし
  • 会議・研修/なし
  • 保護者対応/なし
  • 保育士会/なし

    <メリット>
    ★派遣会社が働き方のサポートをしてくれる

    ★希望の日数・時間帯で働ける
    ★双方の希望があれば直接雇用に変更できる

派遣職員も、自分の希望する時間帯で働くことができる雇用形態です。パート・アルバイトと大きく違う点は、保育者は園ではなく、派遣会社との雇用契約を結ぶ形になるので、働き方の要望は全て派遣会社を通して伝えてもらいます。自分と園との間に入って働き方の希望を伝えてもらったり、悩み聞いてもらったりなどサポートがある点は大きなメリットです。

【フリーランス保育士】

 

  • 勤務時間/個々に応じる
  • 当番シフト/なし
  • 土曜出勤/基本的にはなし
    ※希望に応じて
  • 賞与/なし
  • 書類業務/なし
  • キャリアアップ研修/なし
  • 会議・研修/なし
  • 保護者対応/なし
  • 保育士会/なし

    <メリット>
    ★1つの園に固定されずに働ける
    ★Wワークや複業がしやすい

ここでのフリーランス保育士は、単発で仕事に入ってくれる保育士さんを指しています。近年では、保育士の資格を活かして、保育園勤務以外のお仕事をされている方もいらっしゃると聞いています。今ほいくREVOプロジェクトで活用を進めている「ちょこっとほいく!」を使ってスタッフ入りしてくれる方もこちらの働き方になりますね。
1つの園に固定されずに、自身で自由に働き方・働き先を決めることができます。

正規職員以外にも、色々な選択肢があるんですね。
安定的に給与を得たり、キャリアアップしていきたいなら正規職員として続けたい…。でも勤務時間を考えると現実的に難しいなという方もいますよね。
働ける時間は家庭の環境によって様々なので、自分にあった雇用形態を選ぶのがよさそうですね。


正規職員で復帰したいけれど、現実的に難しい。そんな声もよく聞かれます。実際に私の園でも育児休業を取得した職員は、時短勤務の制度を使って復帰したいと考える方がほとんどですが、復帰のタイミングで、正規職員として働くことに壁を感じる職員も少なくありません。
どんな形であれ、保育士を続けていける選択肢が多いことが大切。結婚前の職員たちにも「自分たちも安心して復帰できる選択肢や仕組みがあるんだ!」と感じてもらえるように、よい循環を作っていきたいですよね。
 

そうですね!

何よりも「働きやすい園にしたい!」と思ってくれる方が職場内にいることが、働きやすい園作りの第一歩ですよね。

※ご紹介している内容は、あくまでも原崎先生の経験からお話しいただいている内容になります。雇用形態の内容は各園にて異なりますので、ご希望の働き方に応じた園探しは1度「エンパワー・サポート」さんへ相談することをお勧めします!

これまで数多くの保育士の方とお仕事を共にされてきた原崎先生ですが、出産を経て復帰する方に向けて「復帰前にしておいたらいいこと」を教えていただけますか?

復帰前に…、そうですね。まず、みなさんにお伝えしたいことは、「働ける時間や希望内容は包み隠さず園に話してほしい」ということです。

こんなことまで言ったら採用してもらえないかも…と考える真面目な方がとても多いのですが、無理をすると結果長く働くことができません。勤務前に不安に思っていること、疑問に感じることは全て園に伝えてください。子どもを育てながらも保育士として働きやすい環境をできる限り提供していきたいとどの園も思っているはずですから。

子育てしながら仕事をする上で、夫や祖父母などの協力体制があるかないかで、働ける時間や内容は大きく変わってくると思います。近くに頼れる身内がいない場合は、正直に伝え、無理のない範囲での復帰をオススメします。

なるほど。たしかに面接の時って「1日くらいだったら土曜出勤できます!」みたいに言いがちかもしれませんね。無理なら無理と伝えておいた方が、園側にとっても働き手にとっても、長く働き続けるためには良いということですね。

後は、できるだけ事前に「働きたいと思う園の見学・体験」をしてください。百聞は一見に如かずです!園の様子を見せてもらうだけで、その園の雰囲気がよく分かります。説明会や面接だけでは良いことしか言わない場合も多いので、「最近の保育の状況や保護者対応」「園が今学んでいるテーマ」などを聞くのもオススメです。普段の様子をざっくばらんに話してくれる園は信頼度が高いと思います。

確かに、働く前に職場の見学やお仕事体験ができたらいいですよね!お仕事体験をしてみたい場合は、ほいくREVOプロジェクトがオススメしている「ちょこっとほいく!」も活用いただきたいです♡

ちなみに、つばきこども園では正規職員の方が育休後復帰しやすいように、どんな工夫をされていましたか?

わたしが園長時代は、「復帰後1年間時短勤務」「子どもが満3歳になるまで早番・遅番なし」という仕組みを取り入れていました。そして、子どもが3歳になった後の働き方はどうするのか「その後も正規職員として働いていくのか」、「別の雇用形態にするのか」を時間をかけて家族で話し合ってもらえるようにしていました。
また、自身のお子さんの預け先や頼り先がない場合は、自園に預けてもOKにしています。
まだまだできることはあると思うので、他園のよい仕組みもぜひシェアして、色んな園でアイデアを共有していきたいですね。

先ほども少しお話に出ていた、新しい保育士の働き方として注目されている「ちょこっとほいく!」。自分の好きな時間に好きな園で働くことができることから、保育士の働き方の選択肢を増やすツールとして画期的だと思うのですが、実際に原崎先生の園でご利用いただいてみての感想を教えていただけますか?

実際に私が園長の時に利用させてもらいました。
始めはかなり抵抗がありましたが、来てくださった保育者の方がとても素晴らしく、頼りがいのある方でした。同じ方がリピートして使ってくださったことで仕事がとてもスムーズに進みました。

しかし、まだまだこの業界は保育を単発で行うことや、普段と違う保育者が保育を行うことに関して抵抗感がある園が多いので、利用していない園もまだまだ多いと思います。

とても画期的なシステムですが、確かに、新しいものを普及させるには時間がかかりますよね。働いている保育者のみなさんにとっても、休みやすい環境を整えるための1つの選択肢だと理解を深めていきたいですね!

ちょこっとほいく!を工夫しながら利用することで

  • 職員の休みが決まっている等、人手不足の際に先に予約できる
  • 気軽に職員が有休を使うことができる
  • フリー的な人員を入れることで正規職員のゆとり時間が確保できる

など、メリットも多いです!使うか使わないかは別として、選択肢の1つとして知っておいてほしいですね♪

△「ちょこっとほいく!」アプリ内にあるカレンダーで、募集している求人内容を一覧で見ることができます。気になる園があったら、就職前に1度お仕事してみるのもオススメ!

最後に、これから復帰を目指すママ保育士さんたちに、エールのメッセージをお願いできますか?

復帰直後~半年・1年は子どもの発熱などで、特に多く休まなければならないことがあると思います。そのため、互いに助け合いの精神をもち、遠慮や気遣いせず本心で関わり合えるような場所・同じ境遇の職員がいる園を選ぶことがベストだと考えます。

みんな、はじめは同じ。苦労は同じ。
子どもたちの成長を保護者と共有できることは何よりも幸せです。お互い様の精神で一緒に乗り越えていきましょう!

原崎先生、お忙しいところインタビューさせていただきありがとうございました!

保育業界「このままでは保育者は増えない」ということを声を大にして言いたいです!もっと風通しの良いオープンな環境にみんなで一緒に変えていきましょう!

最後に力強いお言葉もいただきました♡

ほいくREVOプロジェクトでは、これからも少しずつではありますが保育者の方にとって働きやすい環境を提案できるよう活動を進めていきたいと思います。

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