「そろそろ働こうかな?」
「働き方見直してみようかな?」

と思っているママ・パパが気になるアレコレを、社会保険労務士の渋谷恵美さんに、分かりやすくまとめてコラムにしていただいている【働くママ・パパのお役立ち情報】!

このコラムを読んで、多くのママ・パパ達の役に立てば嬉しいです!

それでは早速ご覧ください…♡

こんにちは。
社会保険労務士の渋谷恵美です。

1年超の長い産休・育休を経て、ついに復帰を迎える。
だけど、復帰前と今ではわけが違う。
育児と仕事の両立、ちゃんと図っていけるのだろうか…?

多くのママの共通の悩みですよね。
でも、国には育休からの復帰の際に役に立ついろんな制度が用意されているんですよ!

そこで今回は、育休復帰するパパ・ママにぜひ知ってもらいたい「復帰にまつわる制度」についてご紹介したいと思います。

サポート制度①
短時間勤務制度

出産前はフルタイムで働いていても、小さな子がいると思うように働けなくなることもしばしば。
子どもをお風呂に入れたり子ども用のご飯を別に作ったり、やることはたくさんで、フルタイムで働くには時間が足りない!と思うパパ・ママも多いかもしれません。

そんな時に活用してほしいのが「短時間勤務制度」

その名の通り、1日の所定労働時間を原則6時間に短縮する制度です。子どもが3歳になるまで使うことができますよ。

会社に短時間勤務制度を設けることが法律で義務付けられていますので、原則は会社に申し出れば誰でも利用することが可能です。
(勤続年数1年未満の従業員など一定の従業員については、労使協定がある場合は対象となりません。)

ちなみに給与の額は原則、減った時間分は支払われません。

サポート制度②
養育特例制度

復帰後、出産前と全く同じような働き方ができるパパ・ママばかりではありません。
短時間勤務制度を利用していなくても、以前のように残業をせず保育園のお迎えに間に合うように仕事を切り上げて帰ったり、、、

ですので、出産前の給与よりも復帰後のほうが下がってしまうケースが多いかと思います。

ここで気になるのが将来の年金額。
社会保険に加入しているともらえる「厚生年金」ですが、実はこの年金の額って、それまでの月収額が影響するんです!

育児のために働けないのに、将来もらえる年金額も下がってしまうのではなんだかやりきれないですよね。

そこで活用したいのが「養育特例制度」

復帰後に給与の額が下がったとしても、子どもが3歳になるまでは出産前の高い給与をもらっているものとして将来の年金額を計算してくれるという制度なんです!

ちなみに保険料は実際の給与額に応じて決まるため、ちゃんと低くなりますよ。

ただし、この制度を利用するには必ず申出が必要です。勝手に国がそのようにみなしてくれるわけではないんです。時効は2年!!

該当するパパ・ママがいたら、ぜひ会社に申し出て手続きをしてもらってくださいね。


サポート制度③
年次有給休暇の付与

年次有給休暇は1年に1度付与されますが、付与されるには「出勤率が8割以上」なければなりません。
これだけ見ると、「産休・育休中は出勤していないし、有給も付与されないのでは?」と思われがちですが、ご安心を♡

年次有給休暇を付与する際の出勤率の計算にあたっては産休・育休期間中は「出勤をしたものとみなすこと」とされています。

つまり付与日が産休・育休中であっても年次有給休暇はちゃんとその日に付与されますので、復帰後に有給取得が必要な際は活用してくださいね!


サポート制度④
子の看護休暇

小さい子は特に体調を崩しがち。

また、予防接種や健康診断などのイベントも多く、パパ・ママも会社を休んだり、遅刻・早退せざるを得ない日も多いですよね。でも、年次有給休暇の残日数は残り僅か…。

そんな時に活用したいのが「子の看護休暇」です。

子の看護休暇は、小学校入学前の子が怪我や病気になってお世話が必要になったり、予防接種や健康診断を受けさせるために会社を休まなければならなくなった際に使える制度です。

子の看護休暇は、時間単位で取ることも可能で「病院に寄ってから出勤したい」といった場合でも利用可能です。

ただし気を付けたいのは、子の看護休暇は無給の場合が多いこと。
法律上では有給・無給の制限はなく、令和3年度雇用均等基本調査では65%の企業で無給の制度としているとの統計も出ています。

なお、子の看護休暇を利用したことで不利益に扱うことは禁止されているため、<無給=欠勤>とみなして「欠勤同様マイナス評価をする」、「昇給に悪影響を与える」といったようなことは認められていません。

復帰後は無理なく育児との両立が出来るのか?
育休前のように仕事ができるだろうか…?

本当に不安が多いですよね。でも大事なのは「自分1人で抱え込まないこと」

辛くなる前に旦那さん、ご家族、職場の同僚などに相談したり、サポートしてもらうことが上手に両立をするコツだと感じています。

そして、制度にサポートしてもらうことも大切なポイントの1つ。

育児と仕事の両立は本当に大変ですが、だからこそ活用できるものは活用して負担を減らしていきたいですよね。
皆さんの今後の子育てライフが素敵なものになることを、陰ながら応援しています!

■渋谷恵美氏 プロフィール

2児のママ。社会保険労務士。
働くことのプロとして、企業の労務管理のサポート、相談、指導、アドバイス等を行っています。その傍ら、働くママに向けて知って得する情報をInstagramにて配信中。

Instagram @workingmom_my

□HP:https://toyama.tw/

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