「そろそろ働こうかな?」
「働き方見直してみようかな?」

と思っているママ・パパが気になるアレコレを、社会保険労務士の渋谷恵美さんに、分かりやすくまとめてコラムにしていただいている【働くママ・パパのお役立ち情報】!

このコラムを読んで、多くのママ・パパ達の役に立てば嬉しいです!

それでは早速ご覧ください…♡

こんにちは。
社会保険労務士の渋谷恵美です。

 

「月末に1日でも育休を取得すると、その月の社会保険料が免除される」
「その月に賞与が支払われれば、賞与にかかる社会保険料まで免除になるからかなりお得になる!」

そんな話を聞いたことがある方も多いかと思います。

実はこの要件、2022年10月1日より変更となっているんです!
そこで今回は、新しい社会保険料の免除のルールについて見ていきたいと思います。



月末に育休を取得するとどうなるの?

月末に育休を取得する場合、今までと同様にその月分の社会保険料は免除となります。

一方で、賞与にかかる社会保険料が免除となるには「月末を含む連続した1ヶ月超の育児休業をした場合」といった要件へと変更されています。
今までのように、月末に育休を取得したことのみをもって賞与にかかる社会保険料が免除にはなりませんのでご注意ください。

また、「12/1~12/31まで1ヶ月間ぴったりで育児休業を取得した」といった場合、こちらは「1カ月超」とはなりませんので、賞与にかかる社会保険料は免除となりません!



月末に育休を取得しないと
社会保険料の免除にはならない?

これまでは、月末に育児休業を取得していないと、社会保険料の免除はされませんでした。
しかし、今回の改正からは育児休業の開始した月に14日以上の育児休業を取得した場合でも、社会保険料の免除の対象となることになりました!

ただし、ここで注意したいのが、この14日以上の育児休業は「育児休業の開始した月に育児休業を終了している場合に限る」という点。

例えば以下の場合、1月に育児休業を14日以上取得していますが、開始した月は12月のため、1月の社会保険料は免除とはなりません。
(12月分は月末に育休を取得しているため、免除となります。)



社会保険料の免除って、
手取り額にどれくらい影響する?

雇用保険料は月の総支給額によって変動しますが、社会保険料は日割り等はなく原則毎月同じ額がかかります。

例えば、育休取得によって給与が2/3になった場合、雇用保険料は同様に2/3程度になりますが、社会保険料は全額支給されたときと同じ額がかかってくるんです。
社会保険料は安くなく、例えば月給25万円だとすると1ヶ月に約3万6,000円~4万円程度がかかってきます。

この額が免除となると考えたら、影響ってすごく大きいですよね!



さらにお得に!
社会保険料にまつわる制度

社会保険料にまつわる制度って、免除のルールだけではないんです。
例えばこんな制度もあるんですよ。

▼ ▼ ▼ ▼ ▼

【育児休業等終了時の報酬月額の改定】
社会保険料は原則、4~6月の給与額によってその年の9月以降の保険料が決まるという仕組みになっています。
4~6月が育休中であれば、改定は行われません。(今までと同じ社会保険料となります。)
だけど、育休復帰後って残業ができなかったり時短勤務となったりと、休業前よりも給与の額が減るケースが多いですよね。
それなのに、社会保険料は変わらないとなると負担も大きい。
そこであるのがこの制度。
育児休業等を終了後、3歳未満の子を養育している場合には、復帰後3ヶ月の実際の給与額から社会保険料の改定を行うことが可能となります!
これは財布にやさしいですよね。

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【養育特例制度】
復帰後、出産前の給与よりも下がったことで社会保険料も下がる。
うれしい反面、気になるのが将来の年金額。
育児のために働けないのに、将来の年金額も下がってしまうのではなんだかやりきれないですよね。
そこで活用したいのが「養育特例制度」
復帰後に給与の額が下がったことで社会保険料が下がった場合でも、子どもが3歳になるまでは出産前の高い保険料を払っていたとみなして将来の年金額を計算してくれるという制度です。

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ただし、ここで注意!!!
この2つの制度、
どちらも「本人の申し出」が必要です。
会社や国が勝手に進めてくれるわけではないんです。該当しそうなパパ・ママは必ず会社等に相談してくださいね。



賢く育休取得をして、
かけがえのない時間を過ごそう

特にパパは、ママとは違って短期間で育休を取得する場合が多いですが、社会保険料免除のルールを知ったうえで育休期間を決めるのも1つですよね。

また、社会保険料の免除は本人だけでなく、会社分も免除となります。
会社と免除ルールについても共有することで、自分の思っているような育休取得がより可能になるかもしれません。

育児にまつわるルールは日々変化しています。
こちらでも最新情報をお届けしていきますので、ぜひ今後も内容をチェックしてくださいね♪

 

■渋谷恵美氏 プロフィール

2児のママ。社会保険労務士。
働くことのプロとして、企業の労務管理のサポート、相談、指導、アドバイス等を行っています。その傍ら、働くママに向けて知って得する情報をInstagramにて配信中。

 

Instagram @workingmom_my

□HP:https://toyama.tw/

 

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