「そろそろ働こうかな?」
「働き方見直してみようかな?」

と思っているママ・パパが気になるアレコレを、社会保険労務士の渋谷恵美さんに、分かりやすくまとめてコラムにしていただいている【働くママ・パパのお役立ち情報】!

このコラムを読んで、多くのママ・パパ達の役に立てば嬉しいです!

それでは早速ご覧ください…♡

こんにちは。
社会保険労務士の渋谷恵美です。

 

「育児のために正社員からパート社員になりたい」
こう考えること、育児世代のパパやママにはあるあるかもしれませんね。

ですが、正社員からパート社員に変わる際、気をつけておきたい点や知っておくべきことって結構あるんです。
知らないと後々「そうだったの⁉︎」とショックを受けてしまうことも…。

そこで今回は、正社員からパート社員に変わる際に知っておきたい内容を10か条としてお伝えしたいと思います!



◎1か条
働く時間や日数が
正社員の3/4未満だと社会保険に入れない

ここでいう社会保険とは「健康保険」と「厚生年金」のことです。

社会保険に加入できないと産休中の手当(出産手当金)が出なかったり、つわりや切迫早産などで会社を欠勤しても、その間の賃金保障(傷病手当金)が受けられません。


◎2か条
一方で働く時間が週20時間以上で、
社会保険に入らなきゃいけない会社もある

社会保険に加入している従業員数が、101人以上の会社にお勤めの場合は、週20時間以上の勤務かつ月収8万8千円以上といった要件に該当することで、社会保険に加入しなければならなくなります。

この場合、年収が例え130万円未満であっても、家族への扶養には原則なれません。

ちなみに2024年の10月からは、51人以上の会社でも同じ要件となります。


◎3か条
扶養に入りたい場合は
『〇〇円の壁』を知るべし

例えば、社会保険の扶養要件である「年収が130万円未満であること」。これを巷では『130万円の壁』と言ったりしますよね。

他にも、自身に所得税がかからない『103万円の壁』、旦那さんが配偶者特別控除をマックスで受けられる『150万円の壁』など、制度には様々な年収要件があります。
年収要件は細かいので、ぜひ確認しておいてくださいね!

扶養に関する年収要件についてまとめた記事はこちら
https://mamasky.jp/columns/post/4744


◎4か条
雇用保険への加入には
週20時間以上の勤務が必要

週20時間未満の勤務に変わると、原則雇用保険には加入できなくなり、雇用保険にある様々な制度が受けられない場合も出てきます。

例えば、育休手当(育児休業給付金)は雇用保険に加入していないと受給できません。

なお、育児のために勤務時間を短縮した場合で、その子が小学校就学までに元の勤務時間に戻る予定である場合には、雇用保険から抜ける手続きはしなくてもOKとされていますよ。


◎5か条
雇用保険に加入しなくても育休は取得可能!

育休は正社員、パート社員など関係なく取得できるものです。
その他、生理休暇や子の看護休暇などの育児に関する制度の多くも活用可能ですよ。

ただし、4か条にもある通り、雇用保険に加入していないため、育児休業給付金は支給されません。


◎6か条
雇用保険に加入しないパート社員になれば
そこで失業給付が受けられる

いわゆる失業給付は退職した時のみ使えるというわけではありません。
雇用保険から外れた場合、今の会社で働きながら積極的に求職活動ができる場合は失業手当が受けられます。


◎7か条
週4日以下の勤務の場合は
有給の付与日数は減る

年次有給休暇の付与日数は週の勤務日数によって変わります。
週4日以下の勤務になると、付与日数は正社員時代よりも少なくなります。

出典:厚生労働省リーフレット
「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」より


◎8か条
でも正社員時代の有給は引き継がれる!

週4日以下の勤務になると、有給休暇の付与日数は減ると言いましたが、すでに付与された分は影響を受けません。

正社員の時より労働時間が半分になったからと言って、今付与されている有給日数も半分になる、ということはありません。


◎9か条
パート社員になることで、
もらえる手当や受けられる社内制度が
変わることもある

例えば、健康診断は正社員の3/4未満で働く従業員には実施が義務付けられていません。

また、会社によって正社員のみ対象となる手当、制度が設けられていることも。

もちろん、正社員とパート社員の間に不合理な待遇差を設けることは認められていませんが、業務内容や責任に応じた差をつけることは許容されています。

まずは就業規則を確認してみてくださいね!


◎10か条
パート社員への変更で
保育園への入園のしやすさに
影響することがある

多くの自治体では、家庭状況をポイント化し、そのポイント数から入園希望者の優先順位が決められます。
そして労働時間によって、付与するポイントを変えている自治体がほとんどです。

例えば富山市だと労働時間に応じて以下のようにポイント化されています。

出典:富山市「保育所等入所利用調整に関する基準」より

 

 

いかがでしたでしょうか?
自分の選択に後悔しないためにも、働き方を考える際にはぜひこの10か条を思い出してくださいね!

 

■渋谷恵美氏 プロフィール

2児のママ。社会保険労務士。
働くことのプロとして、企業の労務管理のサポート、相談、指導、アドバイス等を行っています。その傍ら、働くママに向けて知って得する情報をInstagramにて配信中。

 

Instagram @workingmom_my

□HP:https://toyama.tw/

 

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