「そろそろ働こうかな?」
「働き方見直してみようかな?」
と思っているママ・パパが気になるアレコレを、社会保険労務士の渋谷恵美さんに、分かりやすくまとめてコラムにしていただいている【働くママ・パパのお役立ち情報】!
このコラムを読んで、多くのママ・パパ達の役に立てば嬉しいです!
それでは早速ご覧ください…♡
こんにちは。
社会保険労務士の渋谷恵美です。
育児休業に入り、だんだんと子育てにも慣れてきた頃、
「隙間時間に何かを始めてみたい!」
といったパパやママの声をよくお聞きします。
その中でも、最近は「お小遣い程度に家でもできる副業を始めてみたい」と考えるパパやママが増えてきているようにも感じています。
「でも、育休中なのに、働いていいの?」
「副業しても、大丈夫?」
果たして、仕事を休んでいるのに他で仕事をしていいのか…?疑問ですよね。
でも、先に結論を言ってしまうと 制度的には育休中に副業してもOK!なんです♪
そこで今回は、育休中に副業をする際の注意点について確認していきたいと思います。
-point1-
そもそも会社が副業OKとしているかを確認する!
国の制度的にOKでも、会社がNGとしている場合もあります。
あるいは会社に申し出て、許可を受けないと認めないなどとしているケースもありますよね。
それなのに、黙って副業を始めて会社にみつかってしまったら、場合によっては懲戒処分となってしまうことも…!
まずは副業についての会社のルールを確認してみましょう!
なんで会社は副業を禁止するの?
例えば、会社の業務に専念してほしいといった理由のほか、
・長時間労働による支障を防止したい
・会社の秘密やノウハウが外に漏れたり、
利益が失われることを防止したい
などといった様々な理由があります。
副業先を選択する場合は、今いる会社や携わっている業務が受ける影響についても考慮しておくことが大切ですよ!
-point2-
働く時間や日数に注意!
育児休業給付金をもらってるけど、
副業したら支給額って影響を受けるの?
といった質問をよく受けます。
実はこれ、副業をする時間や日数によって受ける影響が変わるんですよ!
このように、副業で収入を得ても育児休業給付金の額に即座に影響をするわけではないんです。
一方、これが副業ではなく本業先での就業となると、収入に応じて育児休業給付金が減額してしまいます。
ちなみに、この働いた時間や日数については育児休業給付金の申請書に記載することで申出ることとなっています。
-point3-
所得が多い場合には確定申告を
副業形態が、雇用か、フリーランスか等によって、確定申告が必要な所得金額は違います。
例えば、フリーランスの場合は所得が20万円を超えると確定申告が必要となります。所得とは、副業の収入から副業のためにかかった経費を引いたもののことを言います。
もし、所得が多いのに確定申告をしなければ、無申告となりペナルティが課せられる可能性があるので、必ず実施しましょう。
-Point4-
副業をする前に周辺知識をつけておく
最近であれば、在宅でもできるライターやハンドメイド商品の販売などが人気で、実際に育休中に副業として始めてみるパパやママも多いように感じます。
けれど、どの業務・業界にも「ルール」があります。
特に、法律によって禁止されている行為には注意が必要です。
以下、よくありがちな例をご紹介します。
・根拠のない結果を事実として商品紹介の記事を作成した
→景品表示法違反となる可能性!
・他人の記事を勝手に使用した
→著作権侵害となる可能性!
・無許可でキャラクターをモチーフにした商品を販売した
→著作権侵害となる可能性!
このような違反行為を無意識で行わないためにも、業務の周辺知識はぜひつけたいところです。
その他にも、根拠資料としてインターネットの情報だけではなく書籍を活用するなど、情報収集の範囲を広くすることも重要ですよ。
ちなみに…副業で収入を得たら
社会保険料や雇用保険料の支払いはどうなるの?
副業をしたいと相談を受ける際によく聞かれるのが、社会保険料や雇用保険料についての話。
育休中はどちらの支払いもない場合が多いかと思いますが、副業すると保険料はどうなるのでしょう?
まず社会保険に関しては、会社が育休中であるとしている間は免除のままとなります。雇用保険料に関しても、支払いがないままである場合が多いです。
というのは、雇用保険は原則として1ヶ所でしか加入できないため、副業先では雇用保険に加入できず、結果的に雇用保険料はかからないというわけなんです。
ただし、本業先で臨時的に就業し収入が発生した場合は、こちらはその収入によって雇用保険の支払いが必要となりますので、ご注意ください。
副業は無理のない範囲で!
いかがでしたでしょうか。
育休中の副業について悩んでいるパパやママの参考になっていれば嬉しいです。
育児の合間に少し働くことは、気持ちのリフレッシュにもつながり良い影響もありますが、やりすぎは禁物!!
逆に副業がストレスとならないように、上手に両立することが望ましいです。
もし副業について一歩進んでみようと思った際には、トラブルにならないためにもまずは家族や会社等に相談しながら進めてみてはいかがでしょう?
みなさんの育休が楽しいものとなりますように♡
■渋谷恵美氏 プロフィール
2児のママ。社会保険労務士。
働くことのプロとして、企業の労務管理のサポート、相談、指導、アドバイス等を行っています。その傍ら、働くママに向けて知って得する情報をInstagramにて配信中。