「そろそろ働こうかな?」
「働き方見直してみようかな?」

と思っているママ・パパが気になるアレコレを、社会保険労務士の渋谷恵美さんに、分かりやすくまとめてコラムにしていただいている【働くママ・パパのお役立ち情報】!

このコラムを読んで、多くのママ・パパ達の役に立てば嬉しいです!

それでは早速ご覧ください…♡

 

こんにちは。
社会保険労務士の渋谷恵美です。

 

社会保険労務士になって、「働く」「育児」に関するいろいろな制度やルールに触れる機会が増えました。

中には「こんな制度があるの!?」「ルールって実はこうだったんだ!」とびっくりするようなものも。

 

そこで今回は、パパやママにぜひ知っておいてもらいたい、少しニッチな制度についてご紹介してみたいと思います。

 

 

 

介護休業は子どもの入院にも使える

介護休業って、おじいちゃんやおばあちゃんの介護のための休業だと思っていませんか?

…実は、子どもの入院にも使えるケースがあるんです!

 

介護休業は「2週間以上常に介護を必要とする状態にある家族」を介護するための休業で、この家族には祖父母や両親の他、子どもや兄弟姉妹なんかも含まれます。

つまり、入院等で2週間以上、子どもが1人では何もできない状態であれば活用できる可能性があるんですよ◎
特に子どもの年齢が小さいと、付き添いが必要となるケースも多いですよね。

 

介護休業を取得するメリットは、介護休業中は「介護休業給付金」が雇用保険より支給される点。それであれば、限られた年次有給休暇を取得するのではなく、介護休業を活用するのも良いですよね!

ちなみに介護休業は、対象家族1人につき3回まで、または93日まで取得可能です。

 

生理休暇の存在

日本の法律の中には「生理休暇制度」というものが定められています。

これは、女性が生理痛や生理期間に発生する重い頭痛等、生理で働くことが著しく困難な状態にある場合に取得できる休暇で、会社は休暇を申し出られた場合は拒否することができません。

ただし、会社毎で生理休暇を無給の休暇として定めてもOKです。
(生理休暇を取得したことで不利益な取り扱いをすることは禁止されています)


ちなみにこの休暇、データによると女性労働者中の取得率は1%未満(令和2年度)であり、まだまだ使いづらい制度ではありそうです。

 

離婚すると将来の年金額も分割できる

離婚をするときに財産分与をする、これは良く聞きますよね。

じゃあ「将来の年金額も分割できる」というのは知っていましたか?

正確には請求すれば、相手の厚生年金の記録(将来の年金額を計算する際に使用される記録)を分割することができます。

例えば、奥さんの方がの収入が低かった場合、旦那さんから奥さんの方に厚生年金記録が分割され、奥さんは自身の厚生年金記録と相手方から分割された厚生年金記録に基づき、将来の年金額が計算されるんです。

分割率はお互いの合意によって決まりますが、自身が相手の扶養に入っていた期間は1/2が分割されます。(合意をとる必要はありません)


ちなみに年金の分割は、離婚の翌日から2年以内に請求することが必要です。
自動的に分割されることはありません。

 

死産や流産、中絶の場合も
産休手当が出る

健康保険上は「妊娠85日(4ヶ月)」以後の早産、死産(流産)、人工中絶等はすべて出産とします。

ですので、出産日を含む42日前~出産後56日までは産休が取得できますし、その間には産休手当(出産手当金)も受給することができます。

ちなみに産休期間が月末にかかっていれば、その月は社会保険料が免除されますし、出産一時金も受給可能です。

 

自分の中に宿った赤ちゃんと会えないとなると、精神的なショックも大きく、また体にも負担がかかってしまいます。

そんな時だからこそ、しっかり産休、取得しましょう◎

 

失業中はお金をもらいながら
学べる制度がある

退職後に失業手当がもらえる、というのはご存じかと思いますが、この失業中に手当を受けながらスキルが学べる制度があるのはご存じでしたでしょうか?

ハローワークが行っている
「ハロートレーニング」という制度です。

 

概ね6ヶ月~2年間の講座を受けることができ、例えば私の住む富山県では現在「WEBデザイナー」や「簿記」、「ファイナンシャルプランナー」「医療事務」など幅広い講座が用意されていました。
しかもこれ、テキスト代以外は原則無料

そしてなんと、講座受講中は失業手当の受給期間が過ぎても、失業手当がもらい続けられるんです!

なお、これらの講座は失業手当を受給できない方(雇用保険に加入せずに失業された方や、フリーランスを廃業した方など)や在職者の方が受けられるものも準備されています。

こちらは講座期間が2~6ヶ月となりますが、世帯収入や本人収入が低い場合には給付金を受けることも可能です!

気になる方はハローワークに問い合わせしてみてはいかがでしょうか?

まだまだたくさんある、知られていない制度

日本の法律や制度には、このようにあまり知られていないものもたくさんあります。

今回の記事を見て、「この制度、私も使えそうだな」というものがあれば、ぜひ頭の片隅に置いておいてもらえると嬉しいです!

 

今後も、知られていないけれど知っておきたい制度について、紹介していきますね!


■渋谷恵美氏 プロフィール

2児のママ。社会保険労務士。
働くことのプロとして、企業の労務管理のサポート、相談、指導、アドバイス等を行っています。その傍ら、働くママに向けて知って得する情報をInstagramにて配信中。

 

Instagram @workingmom_my

□HP:https://toyama.tw/

 

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