「そろそろ働こうかな?」
「働き方見直してみようかな?」

と思っているママ・パパが気になるアレコレを、社会保険労務士の渋谷恵美さんに、分かりやすくまとめてコラムにしていただいている【働くママ・パパのお役立ち情報】!

このコラムを読んで、多くのママ・パパ達の役に立てば嬉しいです!

それでは早速ご覧ください…♡

こんにちは。
社会保険労務士の渋谷恵美です。

 

3/31に「異次元の少子化対策」として、今後のこども・子育て政策の強化についての試案が発表されました。

現在日本にある大きな問題、少子化

子どもが減ると人口はどんどん減っていくため、労働力が減ってしまって経済が縮小となってしまったり、社会保障への個々の負担も増えてしまったりと様々な影響をもたらしてしまいます…!!

 

 

そもそも、
どうして子どもの数が減っているの?

実は、このようなことが背景にあることがわかっているんです。

  • ワンオペが進むと出生割合が低くなる。(逆にパパの家事・育児時間が長いほど第2子以降の出生割合が高くなる)
  • パパが育休制度を活用しなかった理由の1位は「収入減を避けたかった」次いで「活用しづらい雰囲気が職場にある」
  • 子どもを多く持たない理由の1位は「お金がかかりすぎるから」

もちろん、こればかりが理由ではないですが、経済的理由が少子化の要因となっていることは否めないわけです。

 

そこで、今回発表された「異次元の少子化対策」では、子育てに係る経済的支援の強化が案としていくつか取り上げられています。

今回はこの案のうち、育児休業給付金の支給額引き上げの内容を中心に、その他気になったものについて紹介していきたいと思います。

 

育児給付金の支給率UP

現状の育児休業給付金制度では、月々の総支給額から計算した日額相当額の67%を育休取得日につき支給するとされています。(育休開始6ヶ月まで、その後は50%)

67%と言っていますが、育休中は社会保険料や雇用保険料、所得税がかからない場合が多いので、手取りと比べると約8割が支給されているということになります。

今回発表された試案では、育児休業給付金の給付率について、一定の期間は80%まで引き上げることを検討するとされています。

そうなると、育休取得前の手取りと同等の額が育児休業給付金として支給されることとなります。

現在発表されている案では、、

パパは
一定期間以上の『産後パパ育休』を取得した場合

ママは
産休後の育休期間の28日を上限として

給付率の引き上げを図るとされています。

引上げは1ヶ月弱の期間のみということになりそうですが、それでも家計には助かる改正です!

 

先ほどもご紹介しましたが、パパが育児参加をする家庭の方が、第2子を生む比率が高いことがわかっています。

また過去の調査では、特に初産の場合、産後2ヶ月以内に産後うつの可能性があると判断されたママの比率が約25%にも上ったとの結果も出ています。

睡眠時間が確保しにくいこの期間にパパが十分にサポートすることは大切なんですね。


他にも気になる改正点

その他、こんな内容についても発表がありました。

 

★復帰後に時短勤務を選択した場合に
受けられる給付制度を創設

育休復帰後に育児との両立のために時短勤務を選択するパパやママも多いかと思います。

今回の発表では子どもが2歳未満の期間に時短勤務をしているパパ・ママに向けて、何らかの給付制度の創設を検討をするとありました。

時短勤務は収入がグッと減ってしまいますが、実現すればこちらも家計の助けになりそうですね!

 

★自営業者やフリーランスの
パパ・ママにも!新たな支援措置

現在は、自営業者やフリーランスのパパ・ママにおいては産前・産後期間の保険料免除のみ認められていますが、産後8週以降の育児期間に係る保険料免除措置の創設についても検討を進めるとのこと。

自営業やフリーランスのパパやママにおいてはどうしても支援が少ないのが現状ですが、これも朗報ですね。

 

扶養の壁がなくなる!?だけど…

今後は扶養の壁を見直し、社会保険に加入するパパやママの範囲を広げていく方向としたいとの話もありました。

一方で、手取りの逆転を生じさせない取組の支援などを導入することを検討しているようです。

手取りの逆転があるからなかなか扶養から抜けられない、と悩むパパ・ママも多い中で、この支援についても気になるポイントですね。

 

今後3年間で
育児制度が大きく変わる

これらの取り組みついては、今後3年間を集中取組期間とするとされています。

今回ご紹介した以外にも、児童手当の見直し、学童の拡充、住宅支援などまだまだ多くの試案が発表されています。

もちろん、すべてが発表された案通りにいくとは限りませんが、それでも3年後には私たちの育児環境も大きく変わっていくのではないかと考えています。

今後の動向が気になりますね…!
また、新しい情報が出てきましたらご紹介していきたいと思います。

 

 

■渋谷恵美氏 プロフィール

2児のママ。社会保険労務士。
働くことのプロとして、企業の労務管理のサポート、相談、指導、アドバイス等を行っています。その傍ら、働くママに向けて知って得する情報をInstagramにて配信中。

 

Instagram @workingmom_my

□HP:https://toyama.tw/

 

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