「そろそろ働こうかな?」
「働き方見直してみようかな?」

と思っているママ・パパが気になるアレコレを、社会保険労務士の渋谷恵美さんに、分かりやすくまとめてコラムにしていただいている【働くママ・パパのお役立ち情報】!

このコラムを読んで、多くのママ・パパ達の役に立てば嬉しいです!

それでは早速ご覧ください…♡

こんにちは。
社会保険労務士の渋谷恵美です。

 

令和5年12月13日に育児制度の他、私たちの働き方に影響する制度の見直し案などについて話し合いが行われたようです。

中には以前から話題となっている「異次元の少子化対策」にあった、育児休業給付金の支給率変更など、気になる見直し案もチラホラ…。

 

そこで今回は、今進められている制度の見直し案のその内容についていち早くご紹介したいと思います!

見直し案はいくつかありますが、その中でもパパやママの働き方や仕事と育児の両立に影響が出そうなものを中心にお届けしますね。

 

もちろん決定ではありませんが、具体的な内容が話し合われていることから、おそらくこの内容に沿って改正が行われることが予想できます。

今後の皆さんの両立への取り組みの参考にしていただければと思います◎

 

 

 

変更案①
育児休業給付金の給付率引き上げへ

現在は育休開始から通算180日までは賃金の67%(手取りで8割相当)、180日経過後は50%が育児休業給付金として支給されます。

今回、子の出生後8週以内(ママは産後休業後8週以内)にパパとママの両方が14日以上の育児休業を取得すれば、最大28日間、育児休業給付金の給付率を80%(手取りで10割相当)へ引き上げる案が話し合われています。

ちなみに、配偶者が専業主婦(主夫)の場合や自身がシングルファザー・シングルマザーの場合などは配偶者等の育児休業取得は求められません。

育休を取得しても、本来もらえる給与と同等のお金が受給できるとなれば、ますますパパの育休取得が進みそうですよね!

この改正は令和7年度を予定しているとのことです。

 

 

変更案②
育児時短就業給付の創設

現在は子が3歳までは時短勤務が認められています。

しかし、時短勤務の場合は働いた時間の給与のみが支払われることが多く、結果、正社員の時よりも給与が減ってしまう現状があります。

そこで今回、子が2歳になるまでの間で時間勤務をしている場合の新たな給付として「育児時短就業給付」の創設について話し合いが行われました。

時短勤務中の各月に支払われた賃金額の 10%を時短就業給付として支給する案のようです。

この制度の創設によって、より育児と仕事の両立についての様々な選択肢が広がりそうですね!

この改正は令和7年度を予定しているとのことです。

 

 

変更案③
雇用保険は週10時間の勤務で加入に

育児制度とは別のところで気になるものを1つ。

雇用保険の加入に関する変更案です。

現在は週20時間以上の勤務となれば雇用保険へ加入することとなります。しかし今回、週10時間以上の勤務で雇用保険に加入するといった「雇用保険の適用範囲の拡大」についての話し合いがなされました。

週10時間となれば働くパパやママの多くが雇用保険の加入対象となってくるのではないでしょうか。

雇用保険料の個人負担額は現在、総支給額の0.6~0.7%程度でそんなに高額ではありません。

そして雇用保険に加入すれば、育児休業給付金が受給できたり、資格を取る際の授業料などの一部が補助として受けられるなどメリットも多いです。

扶養の範囲で働こうとすると週20時間の勤務に達せず、雇用保険に加入できないと嘆くパパやママもいらっしゃる中、この改正は喜ばれる方が多いかもしれませんね!

ちなみにこちらの変更は、令和10年の予定で話し合いが行われているようです。

 

 

変更案④
自己都合の失業手当の給付制限が短縮へ

今度は失業手当に関する変更案を1つ。

会社を退職し失業状態となると、ハローワークより失業手当(基本手当等)を受給できますが、自己都合退職の場合は2カ月の給付制限期間を経なければなりません。

これにより、転職時期が遅れてしまうといった懸念もありました。

そこで今回の話し合いの中で、給付制限期間を2ヶ月から1ヶ月へ短縮する案が検討されました。

また、ハロートレーニングの受講など教育訓練を行った場合には給付制限を解除するとのこと。早いうちから失業手当をもらい、早めに再就職活動ができれば、パパやママも安心ですよね!

なお、この変更は令和7年度を予定しているとのことです。

 

 

 

目まぐるしく変わる育児制度

育児制度の内容は年々目まぐるしく変化しています。

最近では「パパ産後育休制度」のような、パパの育休取得に特化した制度なども新しく創設されていますよね。

今後もますますパパやママのニーズに沿った変更が続くことも予想されています。

 

ここで大切なのは、パパやママ自身がしっかりと、制度の変更や新制度について、情報を掴むこと。自分たちの思いに沿った育児や働き方を達成するためには、制度の上手な活用は必須です。

ぜひ、今後の動向にも注目してくださいね!


■渋谷恵美氏 プロフィール

2児のママ。社会保険労務士。
働くことのプロとして、企業の労務管理のサポート、相談、指導、アドバイス等を行っています。その傍ら、働くママに向けて知って得する情報をInstagramにて配信中。

 

Instagram @workingmom_my

□HP:https://toyama.tw/

 

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