「そろそろ働こうかな?」
「働き方見直してみようかな?」

と思っているママ・パパが気になるアレコレを、社会保険労務士の渋谷恵美さんに、分かりやすくまとめてコラムにしていただいている【働くママ・パパのお役立ち情報】!

このコラムを読んで、多くのママ・パパ達の役に立てば嬉しいです!

それでは早速ご覧ください…♡

 

こんにちは。
社会保険労務士の渋谷恵美です。

5月31日に、育児に関する法律が改正・公布されました!
この改正の内容ですが、私たちの今後の「育児と仕事の両立」にとっても大きな影響を与えることが予想されているんです!

そこで今回は、この法律改正の内容と、今後の働き方がどう変わっていくのかについて考えていきたいと思います。
 

 

 

「柔軟な働き方ができるように」
対策をすることが会社に義務化される

今後、会社には3歳から小学校入学前のお子さんがいる社員が柔軟な働き方を実現できるような措置」を講じることが義務付けられます。

柔軟な働き方を実現できる措置・・・すごくわかりにくいですよね。
具体的には以下のような措置が挙げられています!

  • 始業時刻等の変更
    (フレックスタイム、時差出勤など)
  • テレワーク等(10日/月)
  • 保育施設の設置運営等
  • 新たな休暇の付与(10日/年)
  • 短時間勤務制度

ちなみに会社は2つ以上の制度を選択して実施する必要があるようです。

さらに、会社はこれらの措置について、社員に個別に周知し、活用するかどうかの意向を確認しなければなりません。(これも義務化されています)

これらの義務化は今後1年半の間に実施が予定されています。

 

 

残業免除の対象拡大

現在の法律では、お子さんが3歳に満たない場合で会社に申し出を行えば、残業の免除を受けることが可能です。

ですか今回の改正で、その対象者が「お子さんが小学校就学前まで(つまり年長まで)」に拡大されます。

こちらは、令和7年4月から実施の予定です。

 

 

子の看護休暇制度の見直し

現在もある「子の看護休暇制度」

今の制度では、お子さんが小学校就学前(年長さんまで)の場合で、お子さんがケガや病気になったり、予防接種や健診を受ける際などに、会社に申し出れば活用できる休暇とされています。

今回の改正で、これらの要件の一部が変更となっています!

変更は以下の通りです。

厚生労働省「育児・介護休業法、次世代育成支援対策
推進法改正ポイントのご案内」より抜粋


 

こちらも令和7年4月から実施の予定です。

 

 

育児のための
テレワークの導入が努力義務化

こちらは全く新しい内容です。

今後、お子さんが3歳までの社員がテレワークを選択できるように措置を講ずることが、会社に努力義務化とされます。

努力義務なので、義務化ではなくなるべく頑張りましょうね、といったものにはなりますが、これによって大手企業を中心に、よりテレワークが広まることが予想できます。

 

 

育児に関する給付金の拡充

以前も記事としてご紹介しましたが、令和7年4月からは新たな育児に関する給付金もスタートします。

少しおさらいしてみましょう。

①育児休業給付金の給付率引き上げへ

お子さんの出生後8週以内(ママは産後休業後8週以内)にパパとママの両方が14日以上の育児休業を取得すれば、最大28日間、育児休業給付金の給付率を67%→80%(手取りで10割相当)へ引き上げられます。

②育児時短就業給付の創設

育休からの復帰後、時短勤務をする場合に支給される給付が創設されます。
お子さんが2歳になるまでの間で時間勤務をする場合、各月に支払われた賃金額の10%を時短就業給付として支給されます。

こちらについては、以前の記事でも詳しく紹介しておりますので、ぜひご覧ください!

 

 

 

ますます両立しやすくなる環境に!でも…

このように、令和7年からは多くの「育児にまつわる制度」が変更・創設となります。

例えば、現状3歳までの時短勤務制度は「もう少し長く使えたらいいのに…」という声もたくさん聞かれていました。

お子さんが3歳を過ぎたからといって、いきなり手がかからなくなるわけではないし、送迎や食事、入浴のお世話などやるべきことは多いですよね。

せめて小学校に行くまでは…。と時短勤務を望まれるパパやママも多い中で、今回の改正は朗報であるように思います。

 

ですが、会社にとっては、社員の仕事と育児の両立をサポートできる反面、整備しなければいけないことが盛りだくさん。

また、制度をうまく導入するには他の社員への理解も必要になりそうです。

やはり大切なのは、制度を活用する自分たちも同僚の社員へ積極的に、感謝の気持ちを忘れず伝えていくことではないかと感じています。

お互いに支え合い、感謝の気持ちを持ち続けることで、職場全体の雰囲気も良くなり、育児中のパパやママもより安心して働ける環境が整っていくように思います。

改正が多い育児制度、今後も皆さんに必要な情報を提供していきますね!


■渋谷恵美氏 プロフィール

2児のママ。社会保険労務士。
働くことのプロとして、企業の労務管理のサポート、相談、指導、アドバイス等を行っています。その傍ら、働くママに向けて知って得する情報をInstagramにて配信中。

 

Instagram @workingmom_my

□HP:https://toyama.tw/

 

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