「そろそろ働こうかな?」
「働き方見直してみようかな?」

と思っているママ・パパが気になるアレコレを、社会保険労務士の渋谷恵美さんに、分かりやすくまとめてコラムにしていただいている【働くママ・パパのお役立ち情報】!

このコラムを読んで、多くのママ・パパ達の役に立てば嬉しいです!

それでは早速ご覧ください…♡

こんにちは。
社会保険労務士の渋谷恵美です。

 

気付けばもう10月。
朝晩は肌寒く感じる日もあり、すっかり秋の気配ですね。

 

この10月ですが、実は私たちの給与の額に影響するような法律や制度の改正がいくつも始まるんです。

10月分の給与明細を見て、「なんだか今までの給与の額と違う!」と疑問に感じてしまうパパ・ママも多いかもしれません。

 

そこで今回は、10月から変わる法律や制度の内容について先にご紹介していきたいと思います!

 

 

10月から変わること① 最低賃金

私たちの給与って、会社がすべて自由に決めていいわけではなく、一定のルールが存在します。

その1つが「最低賃金」

時間あたりの最低額が法律によって決められているんです。

最低賃金は「地域別で決められているもの」と「産業別で決められているもの」の計2種類ありますが、このうち「地域別で決められているもの」は毎年10月より変更となります。

今年はこの引上げ額が高く、例えば富山県では2022年の10月からは時間あたりの最低賃金額が「908円」に引き上げられます。

そのため、このタイミングで多くの企業で給与の見直しが図られることが予想されます。

ちなみに、最低賃金は時給で働くパパ・ママだけでなく、月給で働くパパ・ママの給与にも影響します。
月給の場合は1か月の平均の所定労働時間に、その地域の時間当たりの最低賃金をかけた金額以上の給与が支給されていなければ、最低賃金法違反となります。

また、この最低賃金には家族手当や通勤手当、精勤手当、残業代などは含まれません。


10月から変わること② 雇用保険料

雇用保険に加入すると、毎月の給与から雇用保険料が天引きされますよね。

この雇用保険料の料率が2022年10月より変更となるんです。

現在、労働者の負担する雇用保険料は総支給額の0.3%と定められていますが、10月からは0.5%となりますよ!()

例えば、月の総支給額が25万円の場合、現在の雇用保険料は750円ですが、2022年10月からは1,250円となり500円UPします。

年間でいうと6,000円のUP!賞与にも雇用保険料がかかることを考えると、多少は家計にも影響しそうですよね。

 

※一部の農林水産業、清酒製造業、建設業は2022年10月以降は0.6%となります。


10月から変わること③ 社会保険への加入

以前より話題になっている「社会保険の適用拡大」ですが、ついにこの10月よりスタートします。

原則、社会保険の加入要件は「その会社の正社員の3/4以上の時間や日数で働く場合」となっていますが、社会保険に加入している従業員の数が101人以上の会社においては、2022年10月よりパート社員であっても以下の要件にすべて該当すると社会保険の加入が義務付けられます。

※厚生労働省「社会保険適用拡大ガイドブック」より

 

社会保険に新たに加入することとなったパパ・ママにおいては10月、あるいは11月分の給与より社会保険料の天引きが始まるかと思います。

社会保険料は高く手取り金額の変化に驚くパパ・ママも多いかもしれませんが、その分受けられる保障も大きいです。

何かあった際にはしっかりと制度の活用をしてくださいね。

 

この適用拡大ですが、2年後の2024年10月からは社会保険に加入している従業員の数が51人以上の会社においてもスタートとなります。

該当するパパ・ママにおいては、この2年で今後の働き方を考えることが必要となりますが、このサイトでも以前に社会保険に加入すると受けられるメリットや手取り額のシミュレーションなどをご紹介させていただいています。

ぜひご参考にしてくださいね。


今こそ働き方をもう1度見直そう!

保険料の増加は私たちの手取り額にも影響をします。

そして、ここにきての昨今の物価高。
家計にも悩ましい変更ですよね。

 

また、最低賃金が上がってうれしい一方、それによって社会保険の扶養要件から外れてしまうパパ・ママがいるという現状も。

このように法律や制度の改正は私たちの働き方にも直接的に影響を与えます。

でも、だからこそもう1度自分の働き方を見直す良いきっかけにもなるように感じます。

 

この働き方を選択したら、

  • 自分の給与はどう変わるのか
  • どういったメリットやデメリットがあるのか
  • 受けられる制度はどう変わるのか

ちゃんと知った上で自分の思いにあった働き方を選択できるといいですよね!

 

ちなみに、このママスキーのサイトの中でも以前より、「働き方を変えると受ける影響」や「思い切って会社を辞めて独立した場合に受けられる/受けられない制度」についてまとめています。

そちらも見てくださいね!

■渋谷恵美氏 プロフィール

2児のママ。社会保険労務士。
働くことのプロとして、企業の労務管理のサポート、相談、指導、アドバイス等を行っています。その傍ら、働くママに向けて知って得する情報をInstagramにて配信中。

Instagram @workingmom_my

□HP:https://toyama.tw/